ゆうぐれぞらの窓際から

流行り廃りにとらわれず、自分のスタイルを貫きたい。そんなオトナカードゲーマーのためのネタ帳。デュエルマスターズがメイン、バトルスピリッツとヴァンガードが少々。

TCG全般:デッキの価値ってなんじゃろな、と

もやもや考えてることをもやもやしたまま書くから読むほうももやもやしてくるであろう投げっぱなしシリーズ。シリーズって表すと多分嘘、思いついたら書く程度。
今回の題材はタイトル通り、デッキの価値をもやもや考え投げっぱなしジャーマン。


あることがきっかけで、ここ最近、モノの価値ってものを意識するようになった。

モノ自体はそのモノであること以上のなんでもないんだけど、誰かが、何かしらの理由をもってそのモノを欲すると、途端にそのモノには必要とされる理由、すなわち価値が備わってくる。そうやっていろんなモノに対していろんな誰かが何かしらの価値を与えた結果、今の世界が成り立ってるんだと思うのさ。

ほらもやもやしてきた。ここは何のブログなんだってんだ。


で、本題。デッキの価値ってなんじゃろな。

例えばデュエルマスターズだと、Nエクスってデッキがある。《サイバー・N・ワールド》で《ボルバルザーク・エクス》を大量に引っ張ってきて、《エクス》の効果で自身を連続召喚し一気に攻める、強力で人気のあるデッキだ。
ヴァンガードだと《ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド》をメインのヴァンガードにしたかげろうデッキが猛威を振るっているし、バトルスピリッツだと《氷の覇王ミブロック・バラガン》や《烈の覇王セイリュービ》といった覇王Xレアカードがどんなデッキにも入るといろんな人に重宝されている。
ちょっと前だったらマジックの《Jace, the Mind Sculptor / 精神を刻む者、ジェイス》にすごい値段がついていて貧乏プレイヤーのオレは目玉が飛び出るんじゃないかって勢いだったんだけど、昔の強力カードだとそんなことは日常茶飯事みたいなので、これに関してはボロが出ないうちに締めておこう。

で、なんでこれらのデッキやカードが人気なのかってーと、それは「強いから」という明確な理由があるからなんだな。
TCGには集めるって要素ももちろんあるんだ(し、これはこれでひとつの価値だ)けど、基本的には自分のデッキを組んで、相手と対戦することがメインになってくる。

それでさ・・・対戦するからには、勝ちたいだろ?

強いカードが欲しい。相手を圧倒できるデッキが欲しい。常に他の誰よりも先を行く、そのためのあらゆるものを手に入れたい。
それらの思いの根底にあるのは、「勝ちたい」という明快な理由。

Nエクスのデッキレシピを書けばブログアクセスは伸びるし、《セイリュービ》のショップ価格は非常に高くなるし、開封動画でうっかり《ジェイス》を引いて「Oh...Jace...!!」とため息を漏らす人も出てくる(本当にそういう動画があったんだけど、ごめ、ソースはどっか行った)んだけど、それはなぜかってーと、多くの人がそれに対して非常に強い価値を見出しているからなのさね。


じゃあ、カードやデッキの価値って「強い」ことばかりが基準となるのか。オレの答えは、「ンなこたぁない」。
手前味噌ながら、その理由。

オレが3月のクールクールオフに参戦したとき、声かけて下さった方(ごめ、名前聴くの忘れてた...)にどんな風に覚えられてたか。それは、

「ドラヴィタをひっくり返す人」。

このデッキは事あるごとに引き合いに出すしいろんなところに持っていくし「ターン始めにフレイムコマンドが2体いるのでドラヴィタ覚醒します!!!これで決めてやる!!!11!!!!」とか宣言しだすからそれで変な印象を焼き付けてるのかもしれないけど、このデッキの本質は、

「《時空の精圧ドラヴィタ》を本当にひっくり返して、本当に勝つ」

というところにある。「裏がないサイキック」と事あるごとにネタにされるし、実際本当に裏ないんじゃないかってレベルで覚醒しない《ドラヴィタ》だけど、それを裏返すことに全力を傾ける。
そのためのデッキ構築もしてるし、プレイングも確立させてるし、実際結果も出していた(全盛期は地元のDRで2位!!)し。
それが積もり積もって、クールオフでのこのエピソードにつながるんじゃねーかと思うのさ。

最初に話題に出したNエクスと違って、このデッキは間違っても「強い」デッキではない。
そりゃまあ勝つことは捨ててないからなるべく勝ちに行くデッキ構築にはしてるけれども、今流行の強いデッキと100戦くらいずつぶっ続けて統計取ると、勝率なんて1~2割行けばいい方だと思う。

それでもなんで、「オレ=ドラヴィタをひっくり返す人」という図式が出来上がったかってーと、この「ドラヴィタをひっくり返す」という行為そのものに強い価値を見出してくれてるからじゃねーかと思うんだ。
だってさ、「ドラヴィタがひっくり返るのを初めて見た」だぜ。最高の褒め言葉だ。そんな貴重な体験をさせられるのであれば、サーファーの1枚や2枚踏んで爆死しても後悔はないぞ←トラウマ


話長くなった。つまるところ、デッキの価値って「強いから」って理由以外にも間違いなく存在するってことなんだ。
いきなりワケわからん殺しをされたとか、流れるようなコンボを見せてくれたとか、ちょっと面倒で誰もやらないことを目の前で実現してくれたとか。
実際の強さはどうあれアニメの主人公やライバルが使うカードは見る人にとっては魅力的に見えるし、一筆入魂のそのイラストに心を奪われ、ぜひ使ってみたいって思うこともあるかもしれない。
カードも知識もないなりに手探りで作ったデッキも、既に慣れた人からすれば滑稽に見えるかもしれないけど、使う人にしてみれば苦労したなりの思い入れってものも出てくるものだ。

そのどれにも、等しく価値はある。


この手の記事ではお約束の逃げ言葉なんだけど、それぞれの価値に優劣なんてのはつけらんない。
そりゃまあ民主的な多数決の原理から行けば、「勝ちたい」というのは最も大きな価値になるんだろうけど、それは残念ながら、ちょっと味気ないなーと思ったりはする。
だから、自分が思う価値の判断基準はきちんと大切にして欲しいし、それと同時に、他の人の思う価値ってのも、まあ大切にしろってまではさすがに押し付けがましいから、せめてそういう考え方もあるもんだなって広い心で持っていて欲しいなって思う。


はい終わり。な、すんげーもやもやしただろ?投げっぱなしジャーマンってなんなんだ、とか。

このブログもこれからずっとこんな調子で続くだろうけど、ま、誰かにとって少しでも価値があるなーって思ってもらえれば嬉しいかなって、そう思います。えへ。